自信というものは、自分でつくるものではなくて、人がつくってくれるものだ。
他人が認めることによって、自分の実力を発見しうるものである。
このように発見せられた実力のみが自信であり、
野心児の狙いやウヌボレの如きは何物でもない。
信長には持って生れた野育ちの途方もないウヌボレがあった。
それと同量の不安があった。
このウヌボレをまことの自信に変えるためには、
不安と同量の、他人による、最高、絶対の認められ方が必要であった。
坂口安吾著『織田信長』( 筑摩書房「坂口安吾全集 第07巻」) より
適宜抜粋、省略を施し、レイアウトを変更しています。
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